「健康保険ってなんだろう?」
そんな素朴な疑問、ありませんか?
病院に行ったら「保険証を見せてください」と必ず言われますよね。
そう、その保険のことです。
「健康保険ってよく使うけど、いざ聞かれると詳しくわからないなぁ」
そんな方のために、今回は会社員として知っておきたい健康保険について紹介します。
- 健康保険って何なの?
- 休職したらどうなるの?
- 税金って安くなるの?
この記事を読めば、そんな素朴な疑問を後輩に聞かれても、さっと答えられるようになるはずですよ。
最後までお読みいただければ幸いです。
健康保険の基本のしくみを知っておこう
健康保険は、国民に義務づけられている制度であり、私たちの暮らしを守ってくれるものです。
そして実は健康保険料を支払っていることによって、納める税金も安くなっているんですよ。
今回はそんな健康保険について説明していきますね。
ゆうこさん、健康保険ってどういうことなんですか?
オレ、今いちよくわかってないんです。
健康保険ってよく聞く馴染みのある社会保険制度よね。
じゃあ今日は健康保険について解説するわね。
健康保険とは、一般企業に勤めている人が被保険者となる社会保険制度の一つです。
医療費の自己負担額を軽減できたり、病気やケガなどに備えることができる社会保険制度です。
日本は、国民全員が公的な医療保険に加入しなければならない「国民皆保険制度」を導入しています。
この制度により、病気やケガなどにより通院した際の医療費自己負担額が軽減されます。
2020年7月時点では、基本的な自己負担割合は以下となっています。
- 6歳未満:2割
- 6歳~69歳:3割
- 70歳~74歳:3割(2014年4月2以降に70歳になった場合は2割負担)
- 75歳以上:1割
※所得などにより負担割合が変わる可能性があります。
この他にも出産時や死亡時などに保険給付受けることもでき、収入が不安的になったときの保証としての役割もあります。
自治体によっては、0歳~12歳の子どもは保険料負担0円のところもあるのよ。
そうなんですね!
子育て世代にはありがたいですね!
健康保険の基本を知るには、種類を知ろう!
健康保険には、さまざまな種類があります。
主な健康保険は以下で、職種や年齢によって加入先が異なります。
- 組合健保:大企業やグループ会社、または複数企業によって設立された健保組合による保険
- 協会けんぽ:健保組合を設立していない企業などを対象とした全国健康保険協会による保険
- 共済組合:公務員や私立学校職員を対象とした組合による保険
どの団体の保険に加入しているかは、健康保険証を確認すればわかります。
健康保険証の下部にある「保険者名称」または「名称」に、団体名が記載されています。
上記は、勤めている方の健康保険でしたが、会社勤務ではない自営業の方などは国民健康保険へ加入する義務があるんですよ。
健康保険料を払わないと、一体どうなるのでしょうか?
ちょっと気になりますよね。
きちんと保険料を払っている人は、窓口で1~3割負担でしたね。
健康保険料を踏み倒して支払いをしないと、窓口での負担が10割になると思ってください。
高額医療保険なども使えなくなり、全て自己負担・自己責任となります。
最悪の場合は財産差し押さえです。
どうしても払えない特別な事情がある場合は、支払いを待ってもらえることもあるので、お住まいの役所に相談してみましょうね。
健康保険の基本!休職中はどうなるの?
この健康保険、もし休職をしたらどうなるのでしょうか?
会社員にとっては、気になる部分ですね。
結論は、休職理由によって健康保険料を徴収される人と、されない人にわかれます。
健康保険料を徴収される人
健康保険を徴収される人は「病気やケガが理由」や「介護休業」もしくは「個人的な都合」での休職です。
自分のスキルアップのために留学や実習のためにしばらく会社を休む休職が「個人的な都合」での休職にあたります。
病気や怪我で働くことができない状態でも、その会社の社員として在籍している限りは保険料を徴収されます。
また、会社もその人の分の保険料を半分支払う必要があるのです。
そのため、働いていないから給与は「0円」だけど、健康保険料は徴収されますので、給与明細にはマイナス金額が表示されるはずです。
そのマイナス分は、会社が立て替えて納めている分になりますので、会社に返金する義務があります。
主な返金方法はこの2つです。
- 復職したら支払う
- 休職中に会社に振り込む
また、傷病手当金を会社の口座に振りこむようにして、立て替え分を差し引いてから社員本人の口座に振り込む、という会社もあります。
休職することになった場合は、保険料の立て替えはどうなるのかをきちんと確認しておくといいですね。
健康保険料を徴収されない人
健康保険を徴収されない人は「産休・育児休暇」での休職です。
日本の法律では、2014年から産前産後休暇(産休)や育児休暇中は、本人分と会社負担分の社会保険料を徴収しないことになっています。
ここでいう社会保険料とは「健康保険」・「介護保険」・「厚生年金」のことをさしています。
国として免除している理由は、出産や育児で働けないのにお金はかかる時期なので、産休・育児休業中の経済的負担を軽くするためです。
産休に入るその月分から免除が開始され、育児休業が終了する月の前の月まで免除されます。
例えば、8月15日に休職に入るのであれば、8月分の徴収は0円となります。
8月分の社会保険料の徴収を、9月支給の給与で行っている会社の場合は、9月の社会保険料は徴収が「0円」になるというわけです。
小さい会社で手作業で給与計算をしている会社は、うっかり産休に入った月の分まで社会保険料を徴収してしまうこともあります。
自分でもよく確認するようにしましょう。
健康保険の基本は理解したけど、控除ってなに?どうやって受けるの?
ここでは税金の話をします。
私たちが支払っている社会保険料の分、税金の負担が軽くなる制度があります。
社会保険料を支払うことで、支払金額について所得控除を受けることができる「社会保険料控除」という制度です。
所得税額を算出する計算は、下記のフローとなります。
- 所得金額を算出(収入金額-収入から差し引かれる金額)
- 課税所得金額を算出(所得金額-所得控除額)
- 所得税額を算出(課税所得金額×税率)
社会保険料控除は、所得税額を算出するフローの中で課税所得金額算出に関わってきます。
所得金額からマイナスされる所得控除額の中に社会保険料控除が含まれているため、最終的な所得税額に影響してくるのです。
もし社会保険料の控除がなかったら、その分だけ課税所得金額が増えるから最終的な税負担の金額が大きくなってしまうのよ。
社会保険料控除の受け方は、会社に勤めている方であれば、一般的には給与からの天引きによって社会保険控除されています。
源泉徴収票作成時に自動集計されているため、特別な対応をする心配はありません。
しかし、次の条件に当てはまる方の場合は注意が必要です。
- 会社での社会保険加入がなく、自ら国民健康保険に加入している場合
- 納税者の配偶者や家族の保険料を払っている場合
このような場合には、確定申告で社会保険料控除の手続きをする必要があります。
健康保険って何?基本の知識と控除の受け方 まとめ
健康保険やそれにかかわる控除は、私たちの生活に深く影響しています。
健康保険について知っておくことで、いざというときに役立ちます。
加入している健康保険組合によっては、加入者に特典があることがあり、お得なサービスを受けられることもあります。
例をあげると保養所が利用できたり、飲食店が割引で利用できたり、健康促進サービスを利用できるなどです。
この機会にご自身の健康保険組合やサービスについて調べてみるのもおすすめですよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた次回!