「傷病手当金って何だろう?」
そんな疑問を持っていませんか?
傷病手当金とは、病気やケガなどによって働くことができなくなったときに受け取ることのできる手当金です。
「たしか病気で休職するともらえる気がする・・・」
そんな漠然としたイメージで、傷病手当金って聞いたことがあるけど詳細についてはよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回はもしものときに請求することのできる制度である「傷病手当金」について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
傷病手当金の基本のしくみ
ゆうこさん、実はこのあいだ営業課の人に「休職を考えてるから、傷病手当金について教えてほしい」って言われたんです。
でもなんて説明していいかわからなかったんで、教えてほしいんです・・・。
そうだったのね。
傷病手当金は休職中の強い味方よ。
今日は傷病手当金について解説するわね。
傷病手当金は、病気やケガなどによる療養中に、加入している公的医療保険から受け取ることのできる給付金です。
組合管掌健康保険(組合健保)や全国健康保険協会(協会けんぽ)などは傷病手当金があります。
しかし、国民健康保険には傷病手当金の仕組みがないのです。
加入先によって制度に違いがあるので注意が必要ですね。
私たちは病気やケガによる療養が長引くと、仕事ができない状態になってしまいます。
そうするとお給料が減ってしまったり、働いていないのでお給料そのものを受け取ることができなくなったりしてしまいます。
収入が減ってしまうと、労働者本人はもちろんのこと、家族の生活も大きく関わってきます。
そのようなときに、傷病手当金は収入のサポートをしてくれるのです。
傷病手当金は「もしも」の時に、生活の保障をしてくれるのよ。
傷病手当金の基本!給付条件と給付金額について知っておこう
傷病手当金を受け取るには、病気やケガなどによる状況が、受け取り条件の対象かどうかを確認する必要があります。
傷病手当金の給付の条件は、以下の通りです。
- 業務外の理由による病気やケガでの療養中である場合
- 病気やケガによる療養で労務不可能な場合
- 仕事を4日以上休んでいる場合
- 給与の支払いがない場合
これらの条件すべてに、合致しているかの確認が必要です。
業務中のケガなどの場合は、労災保険が適用されますので傷病手当金の対象外となります。
また、業務外のケガと言えども、美容整形などは対象外となりますので注意してください。
傷病手当金の支給は、3日間連続して休んだ「待機期間」後の4日目以降からが対象となります。
待機期間は連続した休みであることが必要ですので、休んだ状況の確認は必須です。
支給期間は、支給開始から最大1年6ヶ月となっています。
気になる傷病手当金額は、以下の計算式で求めることができます。
支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額平均÷30日×2/3
傷病金を受け取るには、いろいろな条件があるんですね。
傷病手当金の基本は理解したけど、受け取り方と控除はどうなるの?
傷病手当金を受け取るには、手続きが必要です。
- 被保険者が記入する申請書(2枚)
- 会社が記入する事業主申請書(1枚)
- 医師が記入する療養担当者申請書(1枚)
この4枚1組となる傷病手当金支給申請書を用意の上、加入している保険組合へ申請します。
加入している公的保険機関に問い合わせることで申請書を入手できます。
WEB上でダウンロードできる場合もありますよ。
受け取り後に会社や医師への記入依頼が必要になります。
また、税金にかかわる重要な手続きとして、確定申告があります。
特に、医療費控除は1年間に支払った医療費に応じて控除を受けることができますので、傷病手当金との関係性は知っておきたいところです。
医療費控除の計算では、1年間の医療費合計から、保険などからの補填金を差し引くフローがあります。
傷病手当金は、この補填金には含まれません。
傷病手当金は非課税所得となりますので、医療費控除の計算の際にも傷病手当金を差し引く必要はありません。
傷病手当金の申請も、医療費控除の申告も、きちんと確認して正しく行いましょうね。
傷病手当金って何?基本のしくみと控除の受け方 まとめ
傷病手当金は、会社で働いている人が知っておくべき知識のひとつです。
すべての人に病気やケガの可能性があります。
その時に、自身や家族を守るための保障を受けられる制度ですので、不安な時の安心材料のひとつとなります。
しかし、傷病手当金は申請手続きに時間がかかったり、そもそも傷病手当金を受け取ることができるかどうかの判断が必要です。
もしもの時のために、傷病手当金について改めて確認しておいてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた次回!